訪問看護ストーリー
Story
皆様、ご無沙汰してます。
みさと南ST セラピストの三浦拓人です。久々のブログ書かせていただきます!
今回は私の担当している利用者さんの愛車をご紹介させていただきます。
所有オーナーさんは、頚髄損傷の後遺症による四肢麻痺で普段は車いすを使用して生活をしている方です。頚髄損傷は、脊髄損傷の中でも麻痺の範囲が広く下肢や体幹だけでなく手にも麻痺が残存しやすいため自動車運転を獲得するのはなかなか難しいと言われています。
しかし!こちらのオーナーさんは車が大好きで大好きで、「どうしても自分で運転がしたい!」という希望が強く、入院中の過酷なリハビリを経て障害を持ちながらも自動車運転を獲得された凄いお方です!
なかなかお目にかかれない、福祉改造車両を今回は実際に拝見させていただく機会を得ましたので、是非皆さんにも知っていただければと思います。ちなみに愛車はトヨタのプリウスです。
まず、皆さんが頭に思い浮かぶことは「アクセル&ブレーキどうしてんの?」だと思います。
はい、私も同じ思いでした。
もちろん、普通の車両では当然操作が行えません。どうしているか。
写真をご覧ください!
ハンドル左下方からT時型のレバー的なものが伸びてきているのがお分かりいただけると思います。
これが、ずばりアクセル&ブレーキです。左手の残されている機能でも操作できるように握りやすくシンプルな造りになっています。
レバーを手前に引くとアクセル、レバーを奥に押すとブレーキだったと思います。人間、とっさの判断をする時には無意識に何でも押してしまうのだそうです。なので、押してブレーキの構造なのだと。なるほど、、、ひとつ勉強になった。
次の疑問点として「ハンドル操作はどうしてるんだ?」だと思います。
こちらに関しては、ハンドルに旋回装置を取り付けており、右上肢の残存機能(主に肩関節)を使って行っています。また右手と旋回装置はベルトで固定しており誤って手がハンドルから離れてしまうことを防止しています。
忖度なしに言います。オーナーさんのハンドルさばきですが、か・な・り お上手です。どの程度上手かというと、毎日車を運転している私の方が下手くそかもしれないレベルです。負けてる…
車いすから車へ乗車する際も、車両には一工夫されています。運転座席シート右に移乗用のトランスボード(スライドボード)が設置されており、スムーズな移乗が行えるようになっているんです。こちらは使用しないときには折りたたんで収納することができ非常にスマートな設計になっています。
また車に乗車してから車いすは、車両のルーフキャリアに自動で格納されるという驚きの機能がありました。車いすにベルトを取り付けリフトが作動することで自動で格納庫まで持ち上がるのです。収納される様はまるでトランスフォーマーでした。
ということで、今回は利用者さんの愛車紹介でした。
私たち、セラピストは本人の「これがしたい」「あれがしたい」「こうなりたい」などの本人の気持ちを尊重し、その人らしさを追求した関りを持つようにしています。
本人の何気ない思いや希望、なんでも構いません。まずはいろんなお話聞かせてもらいたいです。