訪問看護ストーリー
Story
ひどくなってしまった褥瘡。あなたならどうやって治しますか?
こんにちは!!創業26年(?)訪問看護の老舗 健和会訪問看護ステーションです。
26年というのは短いようで、その間の社会の変化にはすさまじいものがあります。
さて、多発・悪化した褥瘡。現代の在宅ケアでどのように治したのでしょうか?
2017年12月6日 埼玉県三郷市の会議室に、訪問看護師・ケアマネ・リハビリセラピスト・医師・デイサービス職員など多職種44名が集合しました。
みさと南訪問看護ステーションの訪問看護師でWOC(皮膚排泄ケア認定看護師)のHさんから、まずは事例の紹介です。
めくるめくリアルな褥瘡写真も交えてパッパカパと分かりやすい紹介。聴衆は専門職の人々ですから、理解は早いです。
初対面の人も多いのに、いきなり活発なグループ討論開始。
褥瘡は局所の治療ケアはもちろん大事ですが、体位を整えたり、栄養状態を改善したり、1日24時間のケアが大事。では実際どのようにしたらできるのでしょうか?
キーワードその1「人材」
現代は褥瘡を正確に評価して適切なケアを提案できる人がいますね?そう、認定看護師です。
さらに、必要な検査と診断をし、適切な処方箋を出してくれる医師。
傷の処置をきっちり仕上げる訪問看護師。
食事や排泄のケアを切れ目なく提供してくれる、訪問ヘルパーや通所施設の介護職員。
適切なポジショニングや身体機能の改善を図るリハビリスタッフ。
などなど、専門領域でそれぞれの役割を果たす人々がいます。
キーワードその2「連携」
今回要となったのは「記録」そして「ケアマネ」です。
利用者のところにノートを置いて、日々の食事摂取量、排泄量、体位変換をみんなが書くことで、みんなが同じ情報を共有することが出来ます。
処置方法や栄養内容などを各職種・事業所へ周知したり、エアマットなどの手配をしたり。ケアマネさんを通すことで、全員が足並み揃えて対応できるだけでなく、同じ方向を向くことが出来ました。
褥瘡が日に日に改善する様子も全員が共有でき、達成感をもつこともできました。
キーワードその3「写真」
なんと、カメラを利用者さん宅に置いたのです。
もちろん昔の「写るンです」ではありませんよ!デジカメです、デ・ジ・カ・メ。
利用者宅を訪問した誰もがその場で見れるンです。撮れるンです。そして送れるンです。現代技術、素晴らしい!
局所の写真だけではなく、洗浄や軟膏の塗り方、食事のさせ方、ポジションのとり方などなど。写真であれば一目瞭然!専門知識がないご家族にもわかります。
写真を活用した「手順書」があったため、全員が間違いのない同じケアを提供することが出来ました。
26年前にはなかった「褥瘡の知見」「専門職種」「薬剤」「ケア用品」「科学技術」・・・でもバラバラにあっても褥瘡は治りません。
全てがつながる「連携」があってこそ効果を発揮するのですね。
今回の事例検討会には、事業所も職種も違う人々が集まりました。
「このようにして顔の見える関係性を築くことも、『連携』の基盤として重要な事なのだ」と、参加者のアンケートに書かれていました。
健和会訪問看護ステーションは、これからも事例検討会を開催していきます。
明るい未来の為に、地域包括ケアを進めていきましょう!