訪問看護ストーリー
Story
訪問看護師歴1年半のAです。
4年勤めた病院とは違うことばかりで、
勉強と試行錯誤の毎日を送っています。
今日はそんな試行錯誤の1コマを紹介しますね。
ある日の朝会で、作業療法士のBさんから
「電動車椅子を使っている利用者のCさん、
この間、運転手さんが手伝ってくれて
バスに乗ったのはいいけど、
転倒防止バーが折り畳まれたままだったらしく、
その後本人はそれに気づかず車椅子を動かしたら、
転んでしまったらしいです」と報告がありました。
皆さんはご存知でしょうか?
電動車椅子は、段差を上る際などに
角度がつきすぎると、後ろに電動車椅子ごと倒れてしまう危険があります。
そのため、ある角度以上に後ろに傾かないように、
電動車椅子の後ろに転倒防止バーがついています。
ただし転倒防止バーは、
段差や高低差のある所を介助者が押す際には邪魔になるので、
折り畳んでおくこともできます。
今回は、どうやらバスの運転手さんが
転倒防止バーを元に戻すのを忘れたようです。
思えば、私もステーションに異動したばかりの頃、
電動車椅子の利用者さんが転倒したらしいと聞き、
あわてて作業療法士のBさんに訪問してもらったところ、
なんてことはない、
転倒防止バーが折り畳まれたままだったということがあったのでした。
私も病院には電動車椅子はなかったため知らなかったし、
転倒防止バーの存在は世間一般的にあまり知られていないのかもしれません。
ステーション内で、電動車椅子使用の利用者さんが複数名いることもあり、
電動車椅子に付けておく転倒防止バーについての注意書きの紙を
作ろうということになりました。
結果、作ったのが下記の紙です。
早速Cさんの電動車椅子に付けました。
Cさん、「いいね」と言ってくれました。
この紙を付けたことで、
少しでも安心してCさんが外出できるようになることを
私たちは願ってやみません。
以上、バリアフリーの社会実現に向けて、
少し貢献できたかな?と自負する試みでした。